「エリート技術者」の好待遇の裏で低待遇で使い潰される「一般」従業員たち。グローバル企業の光と闇

無論労働者の待遇を良くすることは大切だ。しかしながら「エリート技術者」に過剰なまでの待遇を与える企業の裏側では、その辻褄合わせとして多くの「一般」従業員たちにしわ寄せがされているという「影」の側面があることをご存知だろうか。海外では近年これが「さらなる格差の発展に繋がっていると」問題視され始めている。

例えばシリコンバレーの大手IT企業のAppleを見てみよう。本部社屋には4階建てのカフェや広大なフィットネスセンターを備え、社員に手厚い待遇が与えられる一方で、ハマーウッド・アベニューにある契約社員たちが働く社屋は自販機はろくに補充されず、トイレには長蛇の列ができるほど劣悪な環境になっており、社員からは「ブラックサイト」という通称で呼ばれている。(参考記事

従業員は1年から1年3カ月の契約雇用だが、その待遇の悪さに契約終了前に辞める従業員は少なくないという。その上従業員は契約上履歴書にAppleの契約社員として働いていたことも記載できない。

このことを指摘した米メディア、ブルームバーグ(Bloomberg)の問い合わせに対しAppleは「抜き打ち検査を行なったが、他のアップル社屋と整合した職場環境だった」と答えており、問題解決を図るつもりはないようである。

また、原文の英語版では、米国で近年正社員の代わりに短い期間で雇用される契約社員の割合が増えてきていることも問題視している。

食料配給を受けながら働くAmazonの従業員

続いてはインターネット小売最大手のAmazonだ。オフィスで働く正社員が数百万円から一千万円クラスの給与を受け取る中、従業員の大部分を占めるスタッフは低い賃金と待遇で働いている。例えば米アリゾナ州のスタッフの3人に1人は「フードスタンプ」と呼ばれる、米農務省が低所得層に支給しているレジで食料購入する際に使える配給券を受給しているほどだ。(参考記事

さらに従業員には「懲罰ポイント」と呼ばれる独自の懲罰システムが課せられており、病気で休んだり、ピッキングの目標を下まわったり、遅刻したりした従業員に懲罰ポイントが与えられ、これが6ポイントに達すると解雇される。従業員には一応の権利が認められていたが、これすらも無視されるという始末で、(参考記事)さらには辞めた後1年半もの間事実上転職を制限されるという契約も課せられていた。(参考

技術職とライン工で給与に雲泥の差。深センのテック企業

近年めまぐるしい成長を遂げている深センのテック企業でも大きな「格差」が生まれている。例えばHuaweiやZTEなどの大手企業が技術者に4〜5万ドルの月給を与える一方で、その末端の従業員は月800ドル程度で働いている。さらに近年ではそれでも高いという理由で製造拠点を国外に移転させる企業も珍しくないという。(参考記事)

さらにその末端の従業員でさえも年出身の「都市戸籍」と地方出身の「農民戸籍」で給与に大きな差があり、農民戸籍であれば社会保障もない(参考

広がる「格差」

カリフォルニア大学サンタクルーズ校の調査では、1997年以降シリコンバレーの賃金は上位10%の人々を除き減少傾向にある。(参考)一部の人々のみの待遇が優先され、その足元には大勢の屍が転がる世界。果たしてそれは正しい世界と言えるのだろうか。

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